ディップスが『やばい』と言われる真実|怪我しない安全な鍛え方

ディップスってめちゃくちゃ良い筋トレって聞くんだけど本当なの?

ディップスは補助種目としてかなり優秀なんだ!

怪我でベンチプレスができない時の代替種目としても使われるよ!

ディップスは平行棒を使った体操から取り入れられたトレーニング種目で、2本の平行棒の間に入り、腕を使って平行棒の上で身体を支え、身体を落とし込んで押し上げるというトレーニング。

ディップは何らかの理由でベンチプレスが行えない場合の代替種目として有効で、上腕三等筋、大胸筋下部を効果的に鍛えることができます。

また、『ディップスはデクラインプレスよりも優れている』と言われています。

その理由は、大胸筋下部と上腕三頭筋意外にも多くの筋肉を動員することができるからです。ディップに関しては全身を使うことになりそういう意味では腕立て伏せに近いと言えるでしょう。

しかしディップスは一人で荷重して段階的に負荷を上げる事ができるので腕立て伏せよりも優れています。腕立て伏せは誰かとトレーニングしていても荷重をするのは難しいでしょう。

今回はディップスがどうして優秀と言われるのかを解説していきます。

この記事でわかること

  • ディップスが優秀だと言われる理由
  • ディップスのメリット
  • ディップスのやり方
  • ディップスの間違い

ディップスが優秀だと言われる理由

ディップスはとても優秀な種目だと言われます。

その理由はディップスでは体が固定されていないことで筋肉と関節をコントロールする必要があり、動員される筋肉と関節が増え、中枢神経の活動が高まり、トレーニング種目の質が向上することにあります。

これは、ベンチプレスと腕立て伏せ、ラットプルダウンと懸垂の関係をイメージするとわかりやすいでしょう。

腕立て伏せは胸、腕、肩だけでなく腹筋、背筋、お尻など全ての筋肉を使った全身運動で、動員する筋肉量が多く、トレーニング種目の質の向上に良い影響を与えます。

しかし、腕立て伏には加重する事が難しいというデメリットがあり、加重が行えない場合、体力のある人は非常に高回数を行わないと体を鍛えることが難しい。

ベンチプレスはほぼ同じ動作に加重することができ、ベンチプレスを行うことで高回数の腕立て伏せを行わなくても腕立て伏せの回数を伸ばすこともできますが、ベンチプレスで動くのは腕だけとなります。

ディップスは上半身の種目ですが、全身を動かしながら高重量を扱う事ができ、両方の問題を解決する事ができるのです

ディップスのメリット

動員される筋肉が多い

ディップスでは前腕は地面に対して垂直に保たれることで体幹が前傾し、身体の前に押すという要素が加わります。

バーを握った手の位置に対して、身体の質量の半分が前にあり、もう半分が後ろにあるという体重が前後にバランスよく保たれた状態を作るには、身体は前傾した姿勢をとらなければいけなくなります。

これにより、大胸筋を大きく動員するのに十分な角度がつき、主に大胸筋の下部が使われます。

また、腕は上半身に対して下向きに働くので、上腕骨の内転のために広背筋が使われます。

荷重がしやすい

ディップでは高重量を扱う事ができます。

ベンチプレスを行うと症状が悪化してしまう怪我がある場合、ベンチプレスの挙上重量を維持するために怪我が回復するまでディップを行うパワーリフターもいます。

ベンチプレスと同じように段階的に負荷を高めていくため、ディップスは加重して行うことも、加重せずに高回数を行うこともできます。

加重になると、体幹全体や腕の疲労が大きくなり、重量が大きくなるごとに全身への効果を感じることができます。

筋力の強いトレーニーであってもディップスはベルトにウェイトプレートのようなオモリをつけることで、非常に簡単に加重することができます。

ディップスは加重なしでも自分の体重を支える必要があるから、十分な重さを扱えるし、軽い重量ならダンベルを足に挟むという方法もあるよ!

ベルトとチェーンを使って加重する場合、男性はチェーンとウェイトの位置関係に注意が必要です。動作のコントロールを失ったり、プレートが揺れ動いたりした時に、大事なところがすぐ近くにあるので、不意にダメージを受けてしまう可能性があります。

場所を選ばない

旅行中などで、ジムに行けない場合もディップストレーニングは可能です。

用意するものは椅子を2脚のみ。椅子を背中合わせにすれば即席のディップススタンドが完成します。

旅行中でも、ホテルでディップスで胸を鍛えて、公園の鉄棒で懸垂をやって背中を鍛える事ができる。

これで上半身のトレーニングは完了!

専用の器具がなくてもできるのは魅力的だよね!!

ディップスのやり方

ディップスステーション

ディップステーションは通常、バーの間隔が60〜65㎝、太さが30㎜〜38㎜程度の太さのパイプを使用し、、高さは120㎝〜135㎝程度で、身体を落とし込んだ時に足が地面に触れないのが理想とされています。

また、ディップステーションはしっかりと固定されている事が非常に大切なので、トレーニーの動作がふらついてもバーがぐらつかないように十分な土台がしっかりしてるか、壁に備え付けられているかを確認しましょう。

2本のバーが完全に並行でなく30°ほどの角度がついたディップステーションでは、自然な手の角度を損なう事がないです。

ディップスの動作

①バーを握ったら飛び上がってスタート位置に入り、肘をまっすぐ伸ばして胸を張る

②大きく息を吸い込んで止める

③身体を少し前傾させて肘を曲げながら、肩が肘よりも低い位置まで身体を落とし込む

④ボトム位置まで身体を落とし込んだ上腕骨、が水平よりも傾いてるかチェック(この位置まで身体を落とし込めているかを確認するために、誰かに見てもらうか、鏡でチェックしましょう)

この4つを満たすと可動域を大きく使うことが確認することができ、大胸筋をしっかりとストレッチすることができます。

また、動作を完全に行うことが出来たかの判断基準になるでしょう。

ディップスの間違い

身体を深く落とさない

ディップを行う際にほとんどの人が、上腕骨が水平になる手前までしか身体を落としません

これは可動域全体を使うことがキツいからという理由だと思います(フルスクワットよりもパーシャルスクワットの方が楽な事と同じ)

パーシャルで行うディップスは、パーシャルスクワットに比べて怪我のリスクを高める事はありませんが、可動域全体を使った場合と比べて働く筋肉が少なくなります。

特に荷重してディップスを行っているのに可動域を限定した動作で行うのは、とてももったいない行為です。ディップの効果を高めるためにも身体を深く落とし込み、必要ならば重量を減らして行いましょう。

肘を伸ばし切らない

2つ目のミスは身体を押し上げた位置で肘を伸ばし切らない事(そしてこのミスは無意識な場合が多い。)

このミスが起こる理由は、上腕三頭筋が疲労してくると完全に収縮しているか感じられなくなるからです。

このミスを改善するための方法として、『身体を押し上げたところで胸を張る意識を持つ』いうあります。

胸を張る意識を持つと、体幹上部が手よりも後ろ側に押し込まれ、負荷がより均等に配分された状態で上腕三頭筋が働く形になるので、肘を完全に伸ばしやすくなります。

まとめ

ディップスが優秀だと言われる理由として

  • 多くの筋肉を動員する事ができる
  • 筋トレ強度を簡単に変えられる
  • 場所を選ばない

などがあります。

ディップスは筋トレ初心者から上級者まで効果的にトレーニングを行えるので、例にあげた注意点を避けて積極的に取り入れていきましょう!