「挨拶なんて出来て当然」「子供に挨拶だけは、出来るようにさせている」こういった言葉を聞くたびに、肩身が狭い気持ちになります。
私は学生時代に運動部に所属しており、「挨拶・挨拶」と呪文のように挨拶を強要されてきたので、「挨拶をする事は当たり前の事」で、挨拶が苦手な人がいるなんて思ったこともありませんでした。
しかし、我が家の子供たちは一様に挨拶が苦手で、スムーズに挨拶を返すことができませんでした。
どういった理由があるのでしょうか?
今回は
・挨拶が与えるコミュニケーションの効果
・挨拶が苦手な我が家の子供達
について解説していきます。
目次
挨拶が与えるコミュニケーションの効果
挨拶は日常生活の中で非常に重要なコミュニケーションの手段です。初めに、挨拶がもたらす具体的な効果について詳しく解説します。
心理的効果

心の開放
挨拶をすることで、相手が心を開きやすくなり、良好な人間関係を築く第一歩となります。「心を開く」というのは、相手の存在を認めているという事であり、承認欲求も同時に満たすという役割も持っています。
緊張の緩和
挨拶は人間関係の潤滑油でもあります。挨拶があることで、初対面の相手とのコミュニケーションが円滑になり、会話のきっかけを生むことができるため、緊張を和らげる助けとなります。特にビジネスにおける場などでは、良い印象を与えることで信頼関係を築くきっかけとなります
社会的効果

信頼関係の構築
笑顔やきちんとした挨拶をすることで、相手に対する信頼感や安心感が生まれます。こうした信頼関係が深まることで、コミュニケーションが一層円滑になる傾向があります。私生活では、町内会や地域のイベントで顔見知りの人々と挨拶を交わすことで、話しやすさや信頼感が生まれ、その地域全体が住みやすい、協力し合える土壌を育むことができます。
良好な第一印象
挨拶は、相手に対して良い第一印象を与えるための重要な要素です。特にビジネスの場では、挨拶が良い評価につながることがあります。むしろ、ビジネスの場では「挨拶をしない」という事はデメリットでしかありません。
職場環境の改善
挨拶をしてもらえなかったり、挨拶をしたのに返事をくれなかった時はムッとしたことはありませんか?
自分には挨拶を返さなかったくせに、上司やお偉いさんには挨拶してたりしたら、尚更腹立たしく感じてしまいます。
職場での挨拶は、全体の雰囲気を明るくし、社員同士の関係性を良好に保つための重要な手段です。
健康への影響

ストレスの軽減
挨拶をする事は自分自身が明るくなるだけでなく、相手にも良い影響を与えます。挨拶とは一瞬のコミュニケーションですが、ストレスが軽減されて、リラックスする事ができます。
特に職場や学校などの忙しい環境では、お互いにストレスを軽減し、良好な関係を築くために必要です。
笑顔の効果
笑顔になることで、脳内にセロトニンやエンドルフィンといった「幸福ホルモン」が分泌され、ストレスが軽減される効果があります。これにより、リラックスし、ポジティブな感情が増加します。
挨拶ができない我が家の子供たち
挨拶が職場や学校、日常生活で果たす挨拶の役割は大きく、挨拶をするメリットはあっても、挨拶をするデメリットはないでしょう。むしろ挨拶をしないことのデメリットばかり。
•上司であれば挨拶をしないと威圧感を与える
•部下、同僚、友達でも挨拶をしないと「生意気」や「嫌なやつ」というレッテルを貼られやすい
事実、挨拶をしないというのは人間関係や仕事の効率に大きく影響し、情報共有や連携がうまくいかないため思わぬトラブルを生むこともあります。
しかし、挨拶をしないことがデメリットだとわかっていても、我が家の子供たちは挨拶が苦手で、スムーズに挨拶を行うことができません。
自閉スペクトラム(ASD)注意欠陥・多動(ADHD)の人は挨拶が苦手?

我が家の子供たちはADHDの診断を受けており、その事が挨拶の難易度を上げているようです。
実際に学校で友達が、「バイバーイ!〇〇ちゃん」と声をかけてくれても、挨拶を返さない光景を何度も見かけました。
自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動症(ADHD)を持つ子ども達は、挨拶に対する理解や習慣が育ちにくいことが知られています。自閉症の場合、他人との相互反応が苦手であり、挨拶のタイミングを適切に判断するのが難しいため、しばしばコミュニケーションの場面において困難な状況に直面します。また、日常的に『これは挨拶をする場面だ』と認識すること自体が難しく、挨拶をすべき状況を見極められないことが多いようです。
挨拶をされた時の我が家の子供達の反応
- 挨拶されると下を向いてしまう
- 言葉がとても小さく、相手に言葉が届かない
- 動きがぎこちなくなる
我が家の子供は挨拶をされた時に動きがぎこちなくなったり、フリーズしてしまう事があるので、周囲からは挨拶しても無視しているようにみえてしまいます。
子供達の特性を頭で理解していても、挨拶を返せない子供を見ると「友達が挨拶してるんだから、返事しなよ!」と子供に言ってしまいますが、子供も「返事をしたいと思っているけどできない」と子供自身悩んでいるのです。
親である私たちが「子供に挨拶をできるようになってほしい」と思っている以上に、子供達自身も「挨拶を出来るようになりたい」と思っています。
挨拶が苦手な子がいる事知ってほしい

「子供に挨拶だけは出来るようにさせている」と言っている人は、挨拶しない人に対して厳しいことが多い。
挨拶を返せないと、「〇〇は甘えて育てられている」「子供が挨拶できないのは親のしつけのせいだ」と言う人もおり、私も子供にADHD・ASDの特性がなかったら同じことを言っていたと思います。
挨拶が苦手な子は、その場に応じた対応が苦手なことが多いので、もしかしたらフリーズしているだけかもしれません。
声が小さいだけなのかも。
相手を注意深く見てあげると、何か反応をしようとしているかもしれません。少し注意深くみてみてください。相手への見方が変わると思います。
まとめ
私は子供ができるまで、挨拶が苦手な人がいることを知りませんでした。もしもあなたの周囲に挨拶を返さない人がいたら少しだけ様子を見てみて下さい。『他のことに集中して気付いてない』『声が小さくて届いていなかった』『緊張して声が出ない』可能性だってあるでしょう。
原因がわかると相手の印象が変わります。
我が家の子供たちは、同年代の子供のようにできない事がたくさんありますが、それを補う魅力にあふれています。
できないことは少し頑張って、魅力の部分が伸ばせるようにサポートしてあげたいと思っています。