
デッドリフトをやると怪我をするってよく聞くんだけど実際どうなの?

デッドリフトは確かに怪我のリスクの高い種目だけど、ポイントをおさえると怪我せずに高重量扱えるようになるよ!
『体をデカくしたいならデッドリフト』という言葉もある筋トレBIG3の1つで、トレーニングにおいて最大重量を扱える種目です。
また、「デッドリフトでは使わない筋肉の方が少ない」と言われており、効率よく体を大きくしたいと思っている筋トレ初心者は特に取り組むべき種目です。
デッドリフトでは筋肉を効率よく鍛える事ができることに加え、高重量を扱う事ができるので体全体の筋力が向上します。
デッドリフトで180キロを挙げられるようになると、40キロの持ちにくい形をしたものを楽に持ち上げられることができるようになります。
また、デッドリフトはトレーニングで取り入れるべき6つの動きの1つ『ヒップヒンジ種目』に該当し、デッドリフトの正しい動きを習得するとスクワットなど他のトレーニングの質の向上も見込めます。
筋肥大・筋力増加に効果的なデッドリフトですが、一方で怪我のリスクが高く、キツイので人気がない種目でもあります。
この記事では、デッドリフトで腰を痛める原因やそのメカニズム、正しいフォームのチェックポイント、腰痛を予防するための方法、そして痛めた際の対処法について詳しく解説します。
この記事でわかること
- デッドリフトで腰を痛める原因
- デッドリフトで腰を痛める人の特徴とフォーム
- 怪我をしないデッドリフトとそのチェックポイント
- デッドリフトで腰を痛めない方法と予防対策
- デッドリフトで腰痛めた時の対処法・改善アプローチ
デッドリフトで腰を痛める原因

デッドリフトで腰を痛める主な原因
デッドリフトで腰を痛める原因は多岐にわたりますが、大きくはフォームが悪い、重量が重すぎることによります。
特に腰を丸めた状態での挙上動作や、急激な動作が腰に大きな負担をかけることが多いです。
筋力不足や柔軟性の欠如も腰痛を引き起こす要因となります。
デッドリフトで腰を痛める主な原因
・不適切なフォーム
・過度な重量設定
・急激な動作
・筋力不足
なぜデッドリフトで腰痛が起こるのか?
デッドリフト中に腰痛が起こるメカニズムは、主に筋肉や関節にかかる負荷が関係しています。
特に、腰椎に過度な圧力がかかることで、筋肉や靭帯が損傷し、痛みを引き起こします。
また、動作中に骨盤が後傾することで腰にかかる負担が増加し、痛みを引き起こすこともあります。
デッドリフトで腰を痛める人の特徴とフォーム

デッドリフトで腰を痛める場合、様々な要因がありますが背中が丸まっている事が原因です。
背中が丸まると腰椎に過剰な負担がかかり、腰痛、ぎっくり腰、椎間板ヘルニアなどのリスクを高めます。
また、背中が丸まることで
・下半身の力を伝えきれないので重量が停滞
・広背筋を固定できないので筋肥大効果の減少
などの悪影響も及ぼします。
腰を丸めた状態での挙上

1番多いのが「腰を曲げた状態」でのデッドリフトです。
デッドリフトって、持ち上げようと思えばめちゃくちゃなフォームでも高重量を上げる事ができます。
体重と運動経験がある人なら初めてのデッドリフトで120kgくらいなら上げるでしょう。
しかし腰を丸めた状態デッドリフトをしていると早い段階で腰を怪我するか、運よく怪我をしなかったとしても重量の停滞がきます。

腰が曲がっている人は足の力を使えていないので、バーベルを地面から2、3㎝浮かせた状態でキープできません。
一度チェックしてみましょう。
バーが体から離れている

バーが体から離れれば離れるだけ怪我のリスクが上がります。
体から離れると体感重量も上がり、背中を緊張させる事が難しいため背中も丸まります。
バーの最初の位置は『肩甲骨の下〜土踏まずの間』で、軌道は体にできるだけ近い位置。
この軌道が1番体に負担がなく、怪我をしにくいのです。
バーは絶対に体から離してはいけません。
膝が伸びている

膝が伸びていて足の力が全く使えていません。
足を使えていないので腰が曲がり、重量が上がれば上がるほど怪我のリスクが高くなります。
特に注意すべき『腰ピキ』
デッドリフト中に「腰ピキ」と感じることがありますが、これは筋肉や靭帯に急激な負担がかかっているサインです。
このような症状が出た場合、すぐにトレーニングを中止するべきです。
痛みが出る場合のケース例としては、以下のようなものがあります。
・急に重いものを持ち上げた時
・フォームが崩れた瞬間
・疲労が蓄積している時

「腰ピキ」がおこる時って高重量の時よりも、アップ中やちょっと重いものを持った時など気持ちが整ってない時に起こることも多です。
アップ中もフォームが崩れないように意識しましょう。
怪我をしないデッドリフトとそのチェックポイント

この章ではデッドリフトで腰痛を引き起こさないためのチェックポイント、効果的なデッドリフトについて解説していきます。
これらのポイントをチェックすることで、腰痛のリスクを抑えながら最大重量を伸ばしていくことができます。
特に注意すべきフォームのチェックポイントは以下の通り
・スタンス
・グリップ
・膝
・胸の張り
・視 線
・挙上動作
・トップ位置での動作
・バーの下ろし方
スタンス
土踏まずの真上にバーベルが来ます

バーはスタートから持ち上げるまで、体側に動く事はありますが、つま先より前に出ることはありません。
足をべったり地面につけて、垂直跳びとほぼ同じ足幅をとります。
身長によって股関節の幅が変わるので、それに合わせて足幅も変えましょう(スクワットと比べると足幅がかなり狭くなりますが問題ありません)
バーベルの位置は脛から2.5〜4センチの位置
これはデッドリフトを行うほとんどの人が共通する事項で、バーベルが足の中心の位置(足の土踏まずの位置)になるようにセットします。
バーベルはスタート位置から引き切るまで足の中心の真上から離れる事がありません。
足の中心の真上から引き始めて、引き切ったところまでバーベルが足の中心の真上を移動する事が、最も効率的な引き方です。
バーベルの位置を確認したら、最後につま先を開きます。
つま先の角度は少なくとも10度、場合によっては30度ほど開くようにしましょう。

バーベルが体から離れてしまうと怪我をします。絶対に体から離さないように!!
グリップ


スタンスが決まったらサムアラウンドのダブルオーバーハンドグリップでバーベルを握ります。(順手)
手幅は両手が足に近いところにきますが、バーベルを引き上げる時に親指が足をこすらない程度の幅をとります。(手幅を狭くすることで持ち上げる距離が短くなる)
標準的なオリンピックシャフトは中心にローレット(ギザギザ)がない部分がありますが、この滑らかな部分は幅が42㎝。
ほとんどの人はローレットの部分に2〜3㎝入ったところを握ることになります。
つまり、両手の間隔は47㎝程度になるでしょう。
身長の大きい人は、足幅を広く取るのに合わせて手幅も広く、女性の場合は手幅を狭くとる必要があり、ローレットの端に人差し指をかけるくらいになります。
片手はオーバーハンド(上から握る)、もう片手はアンダーハンド(下から握る)の形で握る形
・メリット:高重量を扱いやすい
・デメリット:上腕二頭筋の靭帯を痛める可能性がある。
上腕二頭筋の張力によりバーベルが足の中心よりも前に押し出してしまう場合がある
両手を順手にする握り方。
・メリット:デッドリフト時に両肩に不均等な負荷がかからない、
・デメリット:オルターネイトグリップに比べると、重量が下がる

ローレットに7〜8㎝も入っていて、手が足に触れない場合は手幅が広すぎる可能性があります。
自分の手幅を確認してみましょう!
膝を前に出す

グリップが決まったら、バーベルが脛に触れるところまで膝を曲げて前にだします。
バーベルは足の中心の真上にあり、絶対にバーベルを動かしてはいけません。
ここでは膝と脛だけを動かし、腰を落とさないように注意します。脛がバーベルに触れたら、股関節はその位置で固定。
次に、膝を外に押し出し、太ももと膝が平行になるように少し角度をつけます。
ここで膝が肘に触れますが、それで大丈夫(正しい手幅でバーベルを握ると、手と足の間隔はとても狭くなります)
正しくバーベルを握り、太ももを外に外旋させると、自然と膝は肘に触れるのです。

ほとんどの人がこのステップで腰を落とそうとします。
腰を落とすと膝が前に出て、バーベルを押し出してしまう事になるので注意しましょう。
胸を張る
胸を張ってデッドリフトのスタート姿勢に入りますが、このステップがほとんどの人にとって一番難しいステップです。
グリップを決めたらバーベルを動かさないように注意しながら胸郭を持ち上げます。
そうすることで、両腕に挟まれた胸が立ち上がり、腰椎にいたるまで背中の筋肉を収縮させる事ができます。
これにより腰の位置を下げることなく、バーベルを引く正しい姿勢が作られます。
背中の姿勢をとるときに肩甲骨を寄せようとするのは正しくありません。
肩甲骨を内転させると体がバーベルに近づきますが、高重量を引くとその姿勢を保つことはできないのです(肩甲骨を後ろのポケットに入れるようなイメージだと正しい姿勢をとりやすくなります)
視 線
正しい姿勢が取れたら次は視線です。
視線は前方の地面3.6〜4.5mの位置に定めます。
挙上動作
デッドリフトでは、このステップで初めてバーベルが動き始めます。
大きく息を吸い込んで、足に沿ってバーベルを引き上げる
引き始めの段階でバーベルが脛から離れる場合はバーベルが前に移動している証拠です(胸を張っているのにバーベルが前に出てしまうのは、足の中心でバランスが取れていないのかもしれません)
トップ位置での動作
バーベルを引き上げた位置でやることは、ただ胸を張るだけです。
・肩をすくめて上に上げる
・上半身をのけぞらせる
このような事がないように、注意しましょう。
バーベルを下ろす
バーベルを下ろすときは、上げる動作の正反対に体を動かします(バーベルを下げる時は早く下ろして大丈夫)
デッドリフトにおいてバーベルを持ち上げる時もそうですが、下ろし方が悪い場合も腰を痛めます。
・腰が丸まっている
・膝が前に出ている
下ろす時もバーベルは鉛直な軌道に沿っておろなさなくてはいけません。
股関節と膝を曲げ、次にお尻を突き出して、バーベルを太ももに沿ってまっすぐに鉛直に下ろす。
背中は真っ直ぐな状態を維持して、バーベルを上げた状態と正反対の動きを行うのです。
デッドリフトで腰を痛めない方法と予防対策

デッドリフトで腰を痛めないためには正しいフォームを維持することが最も重要ですが、トレーニング前の準備運動やストレッチも欠かせません。
正しいフォームの作り方と意識すべきポイント
デッドリフトを行う際の正しいフォームを作るための最重要ポイントは2点
1 足の位置やバーベルのスタート位置を確認し、体に沿って持ち上げる
2 背中をまっすぐに保ち、腰を丸めないように注意する
この2つを意識することで、腰痛のリスクを大幅に減少させることができます。
柔軟性・筋膜リリース・ストレッチの重要性
柔軟性を高めることは、デッドリフトにおいて非常に重要です。
筋膜リリースやストレッチを行うことで、筋肉の緊張を和らげ、可動域を広げることができます。
特に、ハムストリングスや背中の筋肉をしっかりとストレッチすることで、腰への負担を軽減することが可能です。
日常的に柔軟性を意識することで、トレーニングの効果も向上します。

デッドリフトを行う前にプレートを付けていないバーベルでハムストリングスを伸ばすのも効果的。
腰痛予防にお尻の筋肉や太ももの筋肉のストレッチも行うようにしましょう。
デッドリフトで腰痛めた時の対処法・改善アプローチ

デッドリフト中に腰を痛めた場合、適切な対処法を知っておくことが重要です。
痛みを感じた際の初期対応や、腰に疲労感がある時の代替種目を知っておくと症状の悪化を防ぐ事ができます。
腰裏に『ピキ』ときた時の初期対応方法
デッドリフト中に「ピキ」と感じた場合、まずはトレーニングを中止し、安静にすることが重要です。
冷やすことで炎症を抑えることができるため、アイスパックなどを使うと良いでしょう。
無理に動かさず、痛みが引くまで安静にすることが大切です。

動けなくなる位の痛みじゃなくても違和感を感じたらすぐにトレーニングは中止しましょう。
私自身、何回も経験しましたが、腰の痛みは次の日に爆発します。
治る期間・治らない場合の判断基準
腰痛の治癒期間は個人差がありますが、軽度の痛みであれば数日から1週間程度で回復することが多いです。
しかし、痛みが長引く場合や、日常生活に支障をきたす場合は、専門医の診断を受けることが重要です。
早期の対処が回復を早めるため、無理をせず適切な判断を行いましょう。
症状が悪化した場合のNG行動と注意点
腰痛が悪化した場合、以下のような行動は避けるべきです。
・無理に動かす
・痛みを我慢してトレーニング
・自己判断でのストレッチやエクササイズ
この対処法は症状を悪化させる原因となります。
しかし、筋トレはやらないと気持ちが悪いという人もいるので腰の手術を受けた筆者が行っていたトレーニングを紹介します(基本的に安静期はトレーニングを完全にやらない方がいいです。筆者はリスクを承知で筋トレを行っていました)
腰の手術を受けた筆者が術後行っていたトレーニングメニュー
筆者は腰が痛すぎて100mも歩けないくらい腰痛がひどい時期があり、診察の結果「腰椎すべり症」で腰の手術をうけることになりました。
入院は約3週間程度で術後は筋トレなんてもってのほかですが、退院した日からトレーニングを開始しました。
トレーニングメニューは腰に負担をかけず、しっかりと追い込めるものを採用し以下の3種類で構成。
・足あげベンチプレス
・ブルガリアンスクワット
・懸 垂
この3種類で約3か月トレーニングを行いましたが、腰に負担をかけずに筋力を維持することができました。
まとめ
筆者もデッドリフトで何回も腰の怪我を繰り返し、現在は200kg持ち上げられるようになりました。
この重量を上げるためにやったことは「フォームの修正」これにつきます。
デッドリフト200kgはトレーニングを継続していれば到達可能で、200kg到達した時に体の変化を十分に感じられます。
腰の怪我に悩んでいる人、重量が停滞している人はフォームのチェックを行いましょう。

