ジムに通っていると夏の風物詩と呼べる光景があります。
『夏前に筋トレする人が一気に増えて、夏を過ぎたら一気に減る』こと。
夏前に「今年こそは筋トレを頑張って、夏までには腹筋を割るぞ!!」と決意してジムに通うけど、夏が終わるとトレーニングしなくなってしまう。
私自身も過去に何度も筋トレに挑戦しましたが、三日坊主で続ける事ができませんでした。
しかし30歳を過ぎて筋トレを始めた筋トレ歴も現在では5年間継続する事ができており、体も心も変化させることに成功しました。筋トレ継続にはコツがあるのです。
この記事でわかること
- 筋トレが続かない理由
- 筋トレを継続するための4つのコツ
今回は、この2つを解説していきます。
目次
筋トレが続かない理由

Sperandei S, J Sci Med Sport, 2016によると、トレーニングジムの継続率は、開始から3ヶ月後で37%、1後にはたったの4%未満まで減少。筋トレを継続する事が難しいことは一目瞭然です。どうやら「人は筋トレをするようにデザインされておらず、筋トレが続かないのは自然であり、正常」のようです。
石器時代においてエネルギー不足は死活問題。エネルギーが不足すると、食べ物を確保するための狩猟、天敵からの逃避、生殖活動もできなくなるという問題がありました。
筋肉は基礎エネルギー量の25%を使用するため、食べ物が少なくエネルギーが摂取できない状況では筋肉をつけることはコスパが悪いのです。石器時代から体と心が適応してない私たちには「運動より休養を好む」システムがインプットされているので、筋トレが続かないというのは、「当たり前」なんですね。
また、効果が見えにくいというのも大きな要因の一つといえます。
筋トレは一夕一丁でつくものではありません。ライザップのCMで、1ヶ月で体がバキバキになっている姿をみて「筋肉はすぐにつくもの」というイメージがある方もいるかもしれませんがそうではありません。
CMで流れているのは筋肉が付いて体が変わっているのではなく、運動と食事制限で身体を絞っているので筋肉がついているようにみえているだけなので、食事制限をやめるとすぐに元の体に逆戻りします。
体は筋トレを始めて3ヶ月くらいたって、「何か始めた?」と言われるレベル。
筋トレ1年後にやっと「体が変わったね!」と人に気づかれるレベル。しかし1年も継続できる人は全体の4%…
どうしたら筋トレを継続できるのでしょうか?
筋トレを継続するコツを見ていきましょう。
筋トレ継続の4つのコツ
最初の1ヶ月間は毎日筋トレをする

最初の1ヶ月は毎日筋トレしましょう!

え?筋トレって毎日やらない方がいいんでしょ?

その通り!筋トレは毎日やらない方がいいです。しかし、最初の1ヶ月は『習慣化のための1ヶ月』として割り切って、筋トレに慣れるために毎日やりましょう!
筋トレを継続させる秘訣は、『筋トレを習慣化すること』です。
私は継続する事が難しいと言われている、筋トレ・英語・ブログの3つを継続しておりますが、物事を継続させたいときに『最初の1ヶ月は毎日やる』事を取り入れています。
あなたは筋トレを始めて、『正しい筋トレのやり方』、『筋トレのベストな頻度』を最初に調べます。おそらく検索結果には、「週に3日1回に1時間程度筋トレをやるのがベストです」と出るでしょう。
そして「週に3日がベストな筋トレの頻度ならば、月曜日、水曜日、金曜日に1日おきに筋トレしよう」と決意します。
そんなあなたに質問です。
そのやり方で続いたことはありますか??
だんだんと筋トレが継続できなくなる1週間の例を見てみましょう。
月曜:筋トレ
火曜:筋トレOFF
水曜:急な飲み会でOFF
木曜:残業が入ってOFF
金曜:残業と飲み会で疲れているのでOFF
土曜:筋トレ
日曜:OFF
忙しい30代は、急な残業や飲み会、家族の行事で予定を変更せざる得ない状況が多発します。ここで問題なのが、筋トレを始めて間もないうちは、『計画通りに行う事ができないと「今日はいいかな」と妥協してしてしまいがちになる』事です。
「今日はいいかな」が続くと「来週頑張ろう」になり、「筋トレなんてやっても効果が出ない」と最終的にジムを退会してしまいます。
これを防ぐために『1ヶ月は毎日継続する』を実践してみてください。
最初の1ヶ月は習慣化のための1ヶ月と割り切って、特に効果は期待しないようにすると、より継続しやすくなります。
モチベーションが上がらない時や疲れている時は、関連する行動をとるだけでも習慣化につながります。次は1ヶ月間どのように目標を設定するかを見てみましょう。
目標を低く設定する

筋トレ継続の秘訣として、『目標を低く設定する』ということが成功への第1歩といえます。どうして目標を低く設定する必要があるのでしょうか?理由をみていきましょう。
モチベーションの維持に役立つ
目標を低く設定することで、小さな成功体験を積み重ねる事ができ、モチベーションを維持する事が容易になります。
小さな行動でも、0と1では筋トレを継続するモチベーションに大きく影響を与えます。小さな行動でも継続すると達成感が得られ、自己肯定感が高まります。達成感を経験することで、次のステップへのモチベーションが向上しやすくなります。
低い目標とはどういったレベルの目標でしょうか?具体的には
- 1日20回スクワットをやる
- 1日20回腕立て伏せをやる
- ジムに行って帰る。やる気になったらそのまま筋トレ
どうでしょうか?これだったら続けられそうじゃないですか??
低すぎるとも思える目標ですが、低い目標も毎日達成するとより高い目標に向けての基盤が作られます。小さな成功体験は、次の挑戦への意欲を高める要因となります。

私も以前『ランニングは一回に5キロ以上走らないと意味がない』と思い込んでいた時があり、「5キロも走るのはめんどくさい」と気分が乗らず妥協してしまう事がよくありました。
現在は「1キロでもいいから走る」と目標を低く設定する事ができるようになり、以前よりもランニングの距離を延ばすことに成功しました。
ズーニンの法則を活用する
ズーニンの法則は、アメリカの心理学者レナード・ズーニン氏によって提唱されたもので、何かを始める際に最初の4分間が極めて重要であり、その後の活動の成功に大きく影響するとされています。
具体的には、この法則は「初動4分の法則」としても知られており、物事を始めるとき、最初の4分を頑張ることで、その後の努力がスムーズに進むという考え方です。
皆さんは最初イヤイヤやっていたけど、やり始めるにつれて「意外と楽しくなってきた!!」といった経験はありませんか?
これは「作業興奮」という機能によるもので、やる気がなくても作業を始めると、後からやる気が高まってくるというものです。
具体的には、脳の「側坐核(そくざかく)」という部分が関係しており、側坐核が刺激されると、ドーパミンという神経伝達物質が分泌され、「始めはやる気出なかったけど、やる気出てきたー!!」となっていくのですね。

私は疲れて筋トレのやる気が出ない時でもジムに行くようにしています。
アップをしてもやる気が出ない場合は、本当に疲れているので帰ります。
しかし、なんだかんだアップが終わったらやる気になっている事がほとんどです。
ストレスにならない
トレーニングを始めてすぐの時はモチベーションが高いので、「毎日腹筋、腕立て、スクワット100回」「1日2時間トレーニングする」等と無理な計画を立ててしまいがち。残業で疲れて帰ってきた時にはトレーニングする気力なんて残ってなという状態なので、「今日はもういいかな」と妥協してしまうのです。
高すぎる目標を設定すると、達成できなかった場合にストレスや不安を感じやすくなり、モチベーションが下がった際、行動にうつすのがしんどくなります。
一方、低い目標は現実的であり心理的な負担が少なく、目標達成の楽しさが先行して感じられます。この感覚の積み重ねが、長期的な視点でのパフォーマンス向上に繋がります。
実際に私が行っていた目標設定
筋トレ:腕立て、スクワット、背筋を毎日30回
ジムに行って、やる気が出ないなら帰る。
オンライン英会話:オンライン予約だけする。5分前になってもやる気があったら続ける。やる気が出ないならキャンセル。
ブログ:パソコンを起動。やる気があるなら続ける、出ない場合はやめる
この3つはいずれも成果が見えにくく、時間がかかるのものばかりです。株式投資のように成果が出るには時間がかかるので、割り切って目標設定は低く設定し「そのうち身につくでしょう」くらいの気持ちで取り組むと1年後には大きな力となっています。
時間を固定する

筋トレの習慣化には時間を固定することも効果的です。
私は平日は仕事が終わってそのままジムに行くか、一度家に帰ってすぐに荷物を持ってジムに行っています。週末は午前中のうちにトレーニングを終わらせるのがルーティーンとなっており、時間を固定しているのでその時間にトレーニングしないと気持ちが落ち着きません。
しかし、仕事や子供の世話が忙しくて、夕方に時間がとりにくい方もたくさんいるはず。そんな方は朝の時間を筋トレにあてましょう。
朝の時間はよっぽどの事がないと仕事で呼び出されることや、急な宴会なども入りません。
また朝の時間に筋トレを行うメリットもあります。
代謝の促進
朝の筋トレは、身体の代謝を向上させ、一日を通じてカロリーの消費を増やす効果があります。これは、朝の運動によって交感神経が刺激され、代謝が活性化されるためです。新陳代謝を上げることで、エネルギーを消費しやすい体を作り、太りにくい体質に近づくことが可能です
集中力の向上
朝の筋トレは、脳を目覚めさせ、仕事や勉強への集中力を高めるのに役立ちます。特にストレッチや軽い運動を行うことで、血流が良くなり、よりクリアな思考を促します
習慣化の容易さ
朝の時間帯に運動を取り入れると、他の予定に影響されにくく、習慣化しやすくなります。朝のトレーニングは、忙しい日々においても一貫して続けやすいという利点があります。
心身のリフレッシュ
朝に運動することで、身体が活性化し、気分が良くなる効果があります。筋肉を動かすことで脳内のエンドルフィンが分泌され、ストレスの軽減にも効果的です。また、夜の睡眠の質が向上することがあります。体がリラックスして、深い睡眠を得やすくなるため、翌日のエネルギーも回復しやすいです。
※朝トレの注意点
朝に筋トレを行う際は、体温が低い状態で行うため、必ず十分なウォーミングアップを行い、けがを防ぐことが大切です。また、トレーニングは最低でも30分程度を目安にし、早急な高負荷トレーニングは避けることが推奨されています。
また、何も食べずに空腹状態でのトレーニングは避けるべきです。空腹状態でのトレーニングは脂肪を燃やしてエネルギーを作ると言われていますが、脂肪と同時に筋肉も消費されてしまい基礎代謝が低下してしまいます。
空腹でトレーニングすると糖質不足から集中力が落ちて力が入らず、パフォーマンス低下につながります。トレーニング前には吸収のいいバナナやプロテインを摂取し、体に栄養を入れてトレーニングをするようにしましょう。
記録をつける

記録をつけることも筋トレを継続する事に効果的で、記録を取ることには、以下のような多くのメリットがあります
トレーニングの効果を高める
トレーニングにおいて効果を最大にするためには、負荷を少しずつ高めていく『漸進性の過負荷の原則』にのっとりトレーニングを継続していく必要があります。そのためにはトレーニング記録をとり、「何を、何キロで、何回やったか」を把握しておかなければなりません。
記録をとっていないと「前回はこれくらいでやったはず」と適当に取り組んでしまい、「疲労感」や「パンプ感」を指標にトレーニングしてしまいがちになります。トレーニング内容を記録しておくと何を・何回・何セットをやれば良いのかがすぐにわかり、具体的なトレーニングの指標となります。
進捗の可視化
トレーニング記録をつけておくと、継続している期間や自分の成長を数字として見ることができます。過去の自分との比較(持てるようになった重さや回数、セット数などの変化)を確認することで、達成感を感じやすくなります。
トレーニングの改善点を見つけやすい
記録をつけていくと、自分の弱点や課題が明確になります。例えば、記録をしておくと過去のトレーニングを振り返る事ができるので、特定の部位の筋力が伸びていない場合、その部分にフォーカスを当てたトレーニングを取り入れることができます。
また、重量が停滞している場合の原因を見直す際に、どこが弱いから重量が停滞しているかがわかるので、速やかに改善する事ができます。
モチベーションの維持
記録をつけることで、成果が目に見える形でわかるので、トレーニングに対するモチベーションが高まりやすいです。トレーニング記録を読み返してみると、最初に苦戦していた重量や、停滞していた問題などを確認することができ、「最初はこれくらいでつまずいていたのか!」と自分の成長を実感する事もできるでしょう
オーバートレーニングを防ぐ
トレーニングが楽しいとオフの日を設定せずにトレーニングしがち。記録を取ることで、負荷や頻度でトレーニングしているかが分かり、ディロードの期間を入れるタイミングを設定しやすくなります。これにより、過剰なトレーニングを避け、リフレッシュした状態でトレーニングを再開する事ができます。
一貫性を保ちやすくなる
定期的に記録をつけることで、トレーニングの一貫性を保ちやすくなります。ユーチューブでトレーニングの動画を見ていると様々な方法のトレーニングを見ることができます。初心者の場合は特にトレーニング内容を絞って一貫性を持ってトレーニングする事が大切です。
トレーニングの記録をとると、トレーニングのルーチンが整理されて、どのトレーニングをどれだけ行ったかを把握できるので、計画的に進めることができます。
まとめ
今回筋トレ継続のコツを4つまとめましたが、このコツは筋トレだけでなく新しい事を始める時に共通して効果があります。
事実、継続について書いている私も、過去ブログ継続を2回挫折しており、今回は3度目の正直です。
再度ブログを始めようと思った理由は、英語と筋トレで継続する事のコツをつかんだので、もう挫折する事はないと確信したからです。
1 1ヶ月間は毎日行う
2 目標を低く設定する
3 時間を固定する
4 記録をつける
この4つを続けることで継続の可能性はグッと向上します。
コツコツと継続していれば、1年後努力の積み重ねが山になっています。
ベビーステップ。小さい一歩を継続していきましょう。